矢野ほづみ, 朝木直子

宮崎駿氏が「『淵の森』で『トトロの森』を構想したので、同氏個人のゆかりの地、隣接地こみで保存したい」という考えなら、動機がごく個人的な事情なのは明らかだ。東村山市に話をもってくるのではなく、宮崎氏個人がまず努力をすべきではなかろうか。 氏が、ポンと6千万円(全額)出すのでないなら、東村山市に協力を要請するとしても、「ナショナルトラスト」を呼びかけ、その完成までの先行取得用の一時立替資金の貸与、または、取得後の公有地化のための登記手続きとその費用の協力要請が、援助の限度だ。 かつて氏が3億円をだしたときも、「淵の森」取得には、所沢・東村山両市は税金を1億円も出している。これも疑問は残る。なぜ、自分で話を持ち出しながら、平気で市民の税金をあてにしたのか。 市が今回出す取得費は3千万か4千万円としても、市民が要望している予算はほかにも山積み状態だ。東村山市はそんなに財政にゆとりがあるのか? 最も重要なことは、14万余の市民には、この土地を取得することについて、何も意思確認がなされていないということだ。